「DOWAグループ」って言うけど、何なの?

 

 秋田県の北部に位置する大館市や小坂町周辺では、古くから聞き覚えのある企業グループの名称ではあるけれど、若い世代の人たちや職業的にかかわりがない人たちにとっては、何をしている企業か分からないかもしれませんね。
 昔は鉱山から鉱石を採掘し、製錬により金・銀・銅など非鉄金属の生産を主としていましたが、現在では海外の鉱山開発やリサイクルにより回収した原料をもとに、自動車や電気製品などの製造に必要な金属の加工・供給や、半導体製品の開発・製造・販売など世界トップシェアを誇っているものもあります。
 また、製錬で養った技術をもとに汚染土壌の浄化処理や産業廃棄物として収集された集荷物を無害化し、金属回収および再資源化、最終処分場の運営など多岐にわたる活動をしています。
さまざまなDOWAのグループ会社が、これら循環型社会の構築に携わっています。
●環境・リサイクル事業  ●製錬事業  ●電子材料事業  ●金属加工事業  ●熱処理事業 の各事業を担う会社および関連子会社など、日本では東北から九州まで多くの拠点をはじめ、海外ではアメリカ、カナダ、メキシコや中国を含むアジア諸国、チェコ、ドイツなど世界各国へ展開しています。

[DOWAホールディングス㈱ CSR報告書 2 0 1 8 より引用]

資源循環社会の構築に向けた多面的アプローチ

天然資源である鉱石は、消費し続ければいずれは枯渇します。リサイクルは重要な解決策の一つですが、金属を効率的に回収する技術に加え、その過程で発生する有害物や非有用物を安全に処理するための技術とインフラも重要です。さらに、効率的にリサイクル原料を集荷する社会システムの構築、多種多様な原料を処理する手間やコストなど、リサイクルにも解決すべき技術的・経済的・社会的な課題が存在しています。
DOWAグループでは、貴金属、家電、自動車、使用済み小型家電など幅広いリサイクル事業を国内外で展開していますが、リサイクルだけを行うのではなく、自社が有する廃棄物の中間処理施設や研究所、運輸部門を活用し、さまざまな側面から資源の有効活用に向けて課題解決の取り組みを進めています。
 

 

産業用電力は、東北地方でDOWAが初!

 DOWAの発祥の地である小坂鉱山で使用するための電力を確保するため、水力による自家発電所を1897年(明治30年)に秋田県小坂町に完成させ、鉱山の構内や鉱山従事者の社宅に電気が送電されました。
 産業用の電力としては東北地方において最初であり、この当時の秋田県では一般家庭はおろか公共施設においてもまだ電気が無い時代でしたので、いかに小坂鉱山が進んでいたかが分かります。